はじめに
「字が汚いので恥ずかしいわー」
この言葉、ペン字や書道に興味を持ってくださった方から、よく聞く言葉です。
この言葉を聞くたびに、私はいつも同じことを思います。
「そんなに恥ずかしけりゃ、練習すればいいじゃん」と。(笑)
恥ずかしいと感じるくらいなら練習して改善すればいいのに、せずに嘆いている・・・勿体無い。手書きの文字は練習すればするほど、変えることができるのに・・・。
今日は、字に自信がない方へ向けて、私が普段感じていることを書いてみたいと思います。
字に自信がない人は、実はたくさんいる
字に自信がないという悩みは、決して珍しいものではありません。
人前で文字を書くのが苦手だったり、職場でメモを取るときに少し気になったり、冠婚葬祭の受付で名前を書く場面が憂うつだったり。
私の職場でも、私の字を誉めてくださる方が褒め言葉の後に「私なんて・・・」とよくいうのを耳にします。
「もっときれいな字が書けたらいいのに」
そう思ったことがあって、その思いを口にしたことがある人はかなり多いと思います。
だからまずお伝えしたいのは、その悩みはあなただけのものではないということです。
私は字が汚い人を笑ったことがありません
これまでたくさんの方の字を見てきました。
でも、字が汚いという理由で誰かを笑ったことは一度もありません。安心してください。
でも、「字は人を表す」とも言われるので、文字を見ると、その字を書いた人がどんな人なのだろうと勝手に想像してしまうことがあります。
(これ、書道をしている人あるあるかもしれません。)
だからといって、字の上手い下手で人を判断しているわけではありません。
むしろ印象に残っているのは、
「字をきれいにしたい」
と勇気を出して一歩踏み出した人たちです。
字に自信がないからこそ、教室に来るのは緊張すると思います。自分の自信のない字を笑われてしまうかも、と不安に思う気持ちもわかります。
それでも「変わりたい」と思って行動したことは、とても素晴らしいことです。
私はいつも、その気持ちを大切にしたいと思っています。勇気を出して私に教室に習いに来てくれた人が、自信を持って楽しく字を書けるように全力指導させてもらっています。
字の上手さと、その人の価値は別の話
字が上手な人もいれば、苦手な人もいます。
それは絵が得意な人と苦手な人がいるのと同じようなことです。
もちろん、字がきれいになると自信につながりますし、日常生活でも役立つ場面はたくさんあります。
でも、字が苦手だからといって、その人の価値が下がるわけではありません。
私は字を見ることはあっても、人を評価するために字を見ているわけではありません。
「字は個性」です。
では、字を習うことは個性をなくすことなのかというと、私はそうは思いません。
字を習うことで個性が消えるのではなく、個性の表現の仕方が変わるのだと思っています。
どんなに練習して整った字を書けるようになっても、不思議なことにその人らしさは残り続けます。
それが手書き文字の素敵なところだと、私はいつも感じています。
だから必要以上に自分を責めたり、恥ずかしく思ったりしなくて大丈夫です。だって、個性だから。
「変わりたい」と思った時点で、もう一歩進んでいる
字が苦手だと思っていても、
「少し練習してみようかな」
「きれいな字を書けるようになりたいな」
そう思えたなら、もう一歩前に進んでいます。
上達する人は、最初から上手な人ではありません。少しずつでも続けた人です。
もちろん、私もその一人。人を教えるようになった今でも、私は私の先生の元へ稽古に通っています。こつこつ亀の歩みで今も前進中。
昨日より少しだけバランスが良くなった。
前よりも落ち着いて書けた。
そんな小さな積み重ねが、やがて大きな変化につながると私は信じているし、実感しています。
私がうれしいのは、上手な字よりも前向きな気持ち
教えていて一番うれしいのは、「上手に書けた作品を見ること」ではありません。
「前より書くのが楽しくなりました」
「字を書くのが少し好きになりました」
そんな言葉を聞けたとき、とてもうれしくなります。もっと字を書くことを楽しんで欲しいな、と切に思います。
字の上達には時間がかかります。
だからこそ、焦らず、自分のペースで楽しみながら、喜びを感じながら続けてほしいと思っています。
まとめ
「字が汚いので恥ずかしいです」
もしあなたがそう思っているなら、まずは安心してください。
私は字が汚い人を笑ったことはありません。
むしろ、自分の字と向き合い、変わりたいと思っている人を応援したいと思っています。
その気持ちこそが、上達への第一歩だからです。
字に自信がない方が、少しでも気持ちを軽くして一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
字は一日で変わりません。でも、変わらないものでもありません。
取り組めば必ず字は変わります。あと、あなた自身の気持ちも。


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